関東オークス プレイバック
2015年 第51回 優勝馬
ホワイトフーガ
関東オークスJpnIIは、JRA勢にとって3歳牝馬同士で戦える唯一のダートグレードということもあり、ここが重賞初制覇という馬がほとんど。
3歳、4歳時にJBCレディスクラシックJpnI連覇を果たすことになるホワイトフーガも、2015年のこのレースが初重賞制覇だった。3歳3月にフラワーカップGIIIを使われた(16着)が生涯で芝はその1戦のみ。その勝ち馬アルビアーノが1番人気に支持された(4着)ものの、ホワイトフーガは2着に2秒3の大差をつけ圧勝。前走の端午ステークスで、のちにダート重賞を勝つカフジテイク、ブルドッグボスらの強力牡馬を一蹴していた実力の違いをみせつけた。
2016年 第52回 優勝馬
タイニーダンサー
JRA所属の勝ち馬で唯一、ダートグレード勝ちがあったのが2016年のタイニーダンサー(芝重賞の勝ち馬は1頭いた)。ホッカイドウ競馬でデビューし、エーデルワイス賞JpnIII、北海道2歳優駿JpnIIIの両重賞制覇は史上2頭目という実績どおりの走りを披露した。その後、牝馬同士のダートグレードで2、3着が各2回など好勝負を演じたが、結果的に関東オークスJpnIIが最後の勝ち星となった。
2017年 第53回 優勝馬
クイーンマンボ
2017年はクイーンマンボが3コーナー早め先頭から押し切って重賞初制覇を果たすと、同年10月のレディスプレリュードJpnIIも勝ってタイトルを積み重ねている。なおタイニーダンサー、クイーンマンボとも生産は新ひだか町・グランド牧場。関東オークスがJRA交流のGIIIとなった2000年のプリエミネンスとあわせ、関東オークスJpnIIを複数回勝利した唯一の生産牧場となっている。
2018年 第54回 優勝馬
ハービンマオ
2018年のハービンマオは、JRA交流以降もっとも人気薄の6番人気での勝利。1勝馬の勝利はJRAとの交流以降では初めてのこと。2、3着に地方馬が入ったこの年は3連単10万円台の波乱となった。なおハービンマオの父ハービンジャーは産駒初出走の2014年以降、ダートでの重賞勝ち(地方馬限定戦も含む)は本馬によるこの1勝のみ(2020年5月10日現在)で、記録にも記憶にも残る年となった。
2019年 第55回 優勝馬
ラインカリーナ
2019年は、ラインカリーナとデビュー3年目の武藤雅騎手がともに重賞初制覇。同馬を管理する雅騎手の父・武藤善則調教師は「雅にとっては初の重賞制覇で、それが自分の管理する馬ということで感無量です」。雅騎手は「デビューから(父には)たくさん乗せていただいているので、やっと恩返しができたかなと思います」とそれぞれが喜びを語った。
(文/栗田勇人)